海水利用型消防水利システムの実践訓練を実施しました。

兵庫県南部地震が発生した1995年1月17日から本年で22年目を迎え、消防本部では、震災後の入庁者が全職員の割合が65%になりました。
今後、発生が懸念されている南海トラフ巨大地震または明石市近郊における内陸型地震が発生した場合には、本市においても大きな被害が予想されることから、消防本部では、震災経験職員をはじめ、緊急消防援助隊で「東北地方太平洋沖地震」「熊本地震」に派遣された職員が災害活動で得た経験や知識を若手職員に継承するため、さまざまな訓練や研修を行っています。
毎年、兵庫県南部地震が発生した1月17日に合わせて、市民のみなさまと明石市で行う「1.17防災・減災の取り組み」の防災訓練に関連し、消防では「海水利用型消防水利システム」の実践訓練を下記のとおり実施しました。

1 日時
平成29年1月17日(火)10時00分から12時30分まで

2 場所
明石市魚住町金ケ崎780番地5 JA兵庫南ライスセンター敷地内

3 参加車両及び人員
多目的災害対応コンテナ車 他5台  消防隊員20名

4 内容
水中ポンプを池に投入して自然水利を確保し、通常使用している65mmホースの約2.5倍の直径となる150mmホースを延長車で目的地まで延ばし、多量の水を火災現場まで送り込む街区火災を想定した訓練を実施しました。

5 海水利用型消防水利システムの概要
消防水利の寸断等の消防活動障害が予想される大規模震災時やコンビナート火災等、大量の消火用水を必要とする火災に対処するため、遠方の海や河川等の水源から災害現場へ大量に送水し、消防隊の効果的な消火活動をするシステムです。

訓練開始前に安全管理者から注意事項の説明を受ける隊員

車両から遠距離大量送水用コンテナを池沿いにスライドさせます。

コンテナからポンプ装置(ハイドロサブ60)を降ろし、再びコンテナを車両に載せます。

動力源となる油圧ホースの先端に水中ポンプを取付けて池に投入します。

コンテナの左半分に1km分の口径150mmホースを格納しています。

車両走行しながらホース延長が可能であり、今回は200mのホースを約20分で延長しました。これを人力で行うと数倍の時間がかかります。

ホースの延長先で放水体形を整えて、送水を待ちます。

ポンプ装置(ハイドロサブ60)が作動し、毎分2000リットルの水が送られます。

毎分2000リットルの水を5箇所から一斉に放水できます。

今回の訓練では65mm通常ホースを2本分送水可能な放水砲を使用しました。

撤収訓練では、水が入り重くなったホースは回収装置を操作し、車両走行しながら、ホースを格納庫へ引き込んでいきます。