第38回全国消防職員意見発表会に明石市消防職員が出場しました

平成27年5月23日(土)、静岡県浜松市で行われた全国消防職員意見発表会に明石市消防本部から消防士長 山口 恭平が出場しました。

山口 恭平は同年4月20日(月)に行われた、近畿地区消防職員意見発表会において、予防課勤務の経験から「無言の不安」という演題で聴覚障害者の方が火災をはじめとする災害時において、警報音が聞こえないことによる恐怖や不安を感じていることに際し、先進国との比較や手話を交えながら、消防として取り組んでいかなければならないことなど、建設的な意見を発表した結果、最優秀賞を受賞し近畿地区代表として全国意見発表会に出場いたしました。

全国消防職員意見発表会の当日は、全国各地区から10名の代表が消防職員として、「消防防災」テーマとした業務に対する提言や取り組むべき課題や既に取り組んでいることについて自由に発表し、消防業務に関する熱意と意欲を訴えました。

表彰式では審査員長から、今回の採点のポイントは、消防業務の発展性、いかに市民の方に受け入れて頂き、消防業務に活かしているのかが、非常に大きい、その理由から、最優秀賞は、現在、既にタブレット等を使い、傷病者の救命に活かされて、非常に内容の濃いものとなっている。優秀賞の四国支部の方も自分の出産を経験に、若いお母さん方に受け入れられた対策も既に行っている。また、九州支部の方も防災活動として現在、消防団員が発表内容に沿った活動もされている点を述べられました。

近畿地区代表は、惜しくも上位入賞を果たせませんでしたが、多く観客の関心を集める発表内容と姿勢に大きな拍手が送られました。

明石市消防本部 山口 恭平 発表の様子
明石市消防本部 山口 恭平 発表の様子
受賞式の様子
受賞式の様子
受賞者の記念撮影
受賞者の記念撮影

【全国消防職員意見発表会結果】※発表順に記載

(入賞)
関東支部代表(千葉県)
大畑 涼輔 (千葉市消防局)
「走るAED」

(入賞)
関東支部代表(神奈川県)
尾崎 裕太 (鎌倉市消防本部)
「救急駆け込み寺」が観光客を救う

(入賞)
東海支部代表(愛知県)
植田 圭祐 (知多中部広域事務組合消防本部)
「あなたの家族は心肺蘇生法ができますか?」

(入賞)
東近畿支部代表(富山県)
池水 真未 (富山市消防局)
「あなただから救える命」

(入賞)
近畿支部代表(兵庫県)
山口 恭平 (明石市消防本部)
「無音の不安」

(入賞)
中国支部代表(広島県)
森田 佳輔 (備北地区消防組合消防本部)
「心の雨量計」

(優秀賞)
四国支部代表(愛媛県)
宮浦 織  (松山市消防局)
「命の印」

(優秀賞)
九州支部代表(福岡県)
河邉 剣三 (福岡市消防局)
地域防災の道しるべ」

(入賞)
北海道支部代表(北海道)
中野 雅之  (函館市消防本部)
命を守る「ぼうさいリレー」

(最優秀賞)
東北支部代表(秋田県)
新田 理沙 (大曲仙北広域市町村圏組合消防本部)
「私があなたの後押しをします」

 

明石市消防本部 山口 恭平  演題「無音の不安」

(演題本文)

「火事です。火事です。火災が発生しました。落ち着いて避難してください。」
現在、自動火災報知設備は音のみで、火災の発生を知らせます。では、聴覚に障がいがある人はどのようにして火災を認識するのでしょうか。
はたして消防設備は、聴覚障がいの方の立場で考えられているのでしょうか。
以前、現場で聴覚障がいの方と接した際、コミュニケーションがとれず、もどかしさを感じました。私にも何かできないかと考え、手話を習うことにしました。
手話を習っていくうちに、聴覚障がいの方の本当の想いが知りたくなり、音の聞こえない生活にどのような不安があるか伺いました。すると、様々な場所で放送が聞こえず、なにが起こっているのかわからない。周りの様子を見て、状況を判断しなければならず、ものすごく不安である、とのことでした。火災発生時はどうでしょうか。いくら警報設備が大音響で知らせても聞こえなければ、火災の発生に気付かず、どうしても避難が遅れてしまいます。
海外旅行先の空港やホテルの廊下に、日本では見かけない設備がありました。それは光によって火災発生を瞬時に知らせる設備で、アメリカやイギリスなどでは聴覚障がいの方のためにこのような「光と音による警報設備」が、法律により既に義務化されています。日本でも、バリアフリー化が進められていますが、聴覚障がいの方への配慮は、まだまだ遅れているのが現状です。
日本でもようやく「光と音による警報設備」の開発が進められ、全国のモデル施設で、効果が検証されています。「光と音による警報設備」が義務化され、普及が進めば、聴覚障がいの方も非常事態を瞬時に気付き、迅速な避難が容易になると思います。
しかし、この設備が何か、どう行動するのか、警報を知ってからの行動も理解しておくことが必要です。せっかく設置されても、その設備を理解していなければ意味がありません。設備の開発を待つのではなく、防火について普及啓発も行っておくことが重要です。
そこで、ろうあ協会や手話サークルに協力を依頼し、催しやサークル活動などを活用して、消防から聴覚障がいの方に防火指導をしてはどうでしょうか。聞こえないがために地域の防火指導に参加していないかもしれません。安心して参加できるように、手話通訳を依頼し、定期的に防火指導を実施しておくことで、記憶に定着し、光と音による警報設備が設置された際にも、火災の発生を瞬時に認識でき、迅速な避難が行えます。
聴覚障がいの方は全国に35万人いると言われていますが、誰もが同じように消防設備に守られ、危険回避ができる社会の実現が大切です。
我々消防職員は、日頃から様々な人の立場に立ち、広い視野を持って考え、行動することが、多くの命を助けることにつながっていきます。

明石市消防局 総務課 について

【お問合せ】 明石市消防局 総務課 兵庫県明石市藤江924-8 電話番号:078-918-5941 ファックス:078-918-5983